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■一般的なメンテナンス

ここではドルフィードリーム(DD)の分解方法のコツ、手入れのツボを紹介します。

DDは大別すると、初代DD(非公式な通称で区別する為にT型と呼びます)、
DDU、(ドルフィードリーム ベースボディU)、DDD(ドルフィードリームダイナマイト)、
MDD(ミニドルフィードリーム)が存在しますが、現在初代DDは新品では入手できません。

DDU、DDdyは外皮以外は、ほぼ同じ構成なので、もっとも標準的なDDUを例題に分解方法を紹介します。

なお通常DDは分解の必要は殆どありません。
不必要な分解はパーツの破損を招く可能性があります。
メーカーは内部骨格の別売をしていませんので、万が一破損された場合は
修理できない事もありますので十分ご注意願います。

ただ、ドレスによっては腰や手首を外さないと着せつけできなかったりします。
また長期間の使用で、内部骨格(DDIFと云います)のネジが緩んできますので
その際にはネジの締め込みの調整が必要になります。

あるいは別売りの外皮に交換する事で、色移りしてしまった部位のみを交換する事もできますので
どうしても分解が必要になった場合にご参照下さい。


使用する工具
左からドライヤー、プラスドライバー、マイナスドライバー、ラジオペンチ。


まずは足首を抜きます。
まっすぐ引き抜くだけでOKです。


手首を抜きます。
こちらも引く抜くだけで良いです。


手首パーツ構成
着せ替えの際には、外したほうがやり易いでしょう。


腰と胸部のパーツを分割します。
個体によっては硬いので、ドライヤーで暖めながら抜きます。
決して無理に引き抜いてはいけません。


外れるとこんな感じです。
上でも解説していますが、この支柱が折れ易いので注意してください。


抜けた側の胸部
特に最近のロットは異様に結合が硬いので、無理は禁物です。

なお組み立て時に、硬くて嵌らない場合の別途対処方法を
一番最後に記載してありますのでご参考下さい。


肩を引き抜きます


頭部
上部に貼ってあるシールは…


ボークス ピタッとウィッグ

ウィッグ専用の滑り止めシートです。
SD用のウィッグだとDDヘッドにはサイズが大きいので、これを貼るとズレにくいです。


蓋を外します。
こちらも硬いのでドライヤーで十分暖めてから外してください。


頭部内部
プリット ひっつき虫でアイを固定しています。
中央の支柱が首パーツです。


ヘッドを首から抜く。
写真のように首パーツを押すようにして抜いてください。
ここも硬い場合はドライヤーで暖めて作業すると良いでしょう。


頭部が外れた状態

飛び出ているのが首パーツ。
無理に頭部を引き抜くと首パーツ内部のバネが伸びてしまいます。


胸部の外皮を外します。
ここも外れ難いので、ドライヤーで暖めます。


胸部内部パーツが露出しました。


内部パーツから骨格を抜き出します。
マイナスドライバーを写真の隙間に差し込んでリング状のパーツを押し出します。


押し出したところ。


外れました。
同様な要領で左右のパーツを引き抜きます。


硬い場合は写真のようにラジペンを使用して引き抜きます。

なお、この場合パーツに挟み込みの傷ができてしまいますのでご注意を。
(見えない部分なので、私は気にしないですけど。)


内部骨格(DDIF)はこんな感じになっています。


ネジ2本を外してみます。


外すとこんな感じです。

DDの強度的な弱点のひとつである首パーツ
社外品に交換する場合には、ここまでの分解工程が必要です。


写真のパーツは初期ロットのものです。

現在の最新ロットでは改良されており、首パーツの嵌る、すり鉢状の窪みに
フリクションを増す目的で凸状のパターンが付いています。

またその左右の突起の形状も異なりますが、こちらは生産性の問題からの
変更のようで機能的な差異は無いようです。


下半身に移りましょう。


初心者が分解できなくて悩むのがこの股間の部分です。

ここはドライヤーで暖めないと抜けません。
特に左足は暖めないと、まず抜けません。

ドライヤーで暖めると、拍子抜けなくらい簡単にスルリと抜けます。


写真のように、支柱に返しが付いているので抜け難いのです。


左右とも外します。


脛の外皮パーツは引き抜くだけで、簡単に外れます。


脛の骨格に足首を嵌めてみました。

最近のロットでは足首抜けを防止する為に、脛の骨格パーツに改良が施されています。
簡単に抜けてしまって困る場合は、このパーツを瞬間接着剤などで太らせましょう。
(決して足首を接着してはいけません!)


脚のパーツ構成

太腿、足首パーツは奥深くDDIFが刺さっているので、
ドライヤーで暖めた程度では抜け難いです。

熱湯に浸して煮込むと、外皮がふにゃふにゃになりスルリと抜けます。
なお作業時はやけどに注意してください。


ちょっとした加工

足首パーツは分解が面倒なので、メンテの際にはついでに関節強化もしちゃいましょう。
写真のようにセロテープを貼り付けて、余白をナイフでカットし組み込むことで
関節の摩擦を上げて、動きを硬くすることができます。
足首が弱くて自立できない場合に有効です。


腰の外皮から骨格を抜き出します。
ここもドライヤーで暖めてから。


抜き出した腰の内部骨格

これがDDIFの主要パーツです。
ネジの締め込み度合いを調整する事で、関節の硬さを調節できます。


DDIF背骨パーツ展開


組み立て時の注意点

四角い中間パーツの組み付けですが、写真のように組み付けます。
上下を逆にしてしまうと、胴長になってしまいます(笑)


上半身と下半身の結合が異様に硬い場合は、ここを工夫します。

2008年あたりからのロットはここが妙に硬いです。
無理に付け外しすると支柱が折れそうなので対策します。


DDIFの上半身骨格のリング状のパーツを、ひとつ外します。

たったこれだけでOKです。
このパーツで押さえつけているので、ひとつ外す事でテンションを下げられます。


通常はここまで分解すれば十分でしょう。


ちょっとしたコツ

着せ替えの時、スカートを穿かせる場合などは上半身と下半身を分離した方がやり易いです。
写真のようなワンピースでも、先にスカート部分を穿かせてから上半身をつけると簡単ですよ。


組み立ては分解の逆の手順でやればOKです。

今回のモデルは我が家のDD最古参、綾ちゃんでした。
綾ちゃんおつかれさま〜

今回の分解でもDDIFのネジの緩みを発見しました。
手馴れた方は偶に分解してチェックすると、不具合が発見できたりします。

慣れれば難しい部分はありませんが、特に冬場の低気温で
ソフビが硬くなる時期の分解はドライヤーを活用してください。
無理に外すと壊れます。

分解に不安のある方は、最寄のボークス店舗に相談して下さい。
DDはSDのような有償部品交換がありませんので、
くれぐれも慎重に作業して下さいね。




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