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コクサイ コルト パイソン357 コンバットパイソン3Inch<初期型>


【歴史】
M19に始まり、同じくKフレームの「M10」、Lフレームの「M29」を経て誕生した
コクサイガスリボルバーシリーズ第4弾が「PYTHONシリーズ」だ。
古くは「ダーティハリー2」、近年では「シティハンター」など
日本でも映画、漫画などでおなじみの有名な銃だ。

実銃の世界でも「リボルバーのロースロイス」と呼ばれる高級銃で、
仕上がりの良さで有名。
但し、コルトDAリボルバーの構造の特性から
ダブルアクション時のトリガープルは独特で、粘るようなフィーリングは
よく言えばスムーズ、悪く言えばキレが悪い、好みが別れる感覚だ。

私はとにかくこの銃の大ファンで世界のハンドガンの中でも一番美しいスタイルの銃だと思っている。
今まで出たパイソンのトイガンもかなり集めたが、とりわけ
コクサイの金属モデルガンの出来は秀逸で実銃の雰囲気をかなり正確に再現している。
そんな「リボルバーの雄」がリリースしたパイソン。
果たして出来は・・・




【変遷】
パイソンはコクサイリボルバーシリーズの中でもドル箱的存在で
モデルガンの金型を改修して作られたと思われる外観は非常に美しい。
その外観と知名度に高さからエアガン初心者にも受けが良いモデルである。

販売は91年頃でコクサイが倒産する2003年頃まで生産されていたモデルである。
(Gun誌の広告で目にした方も多いと思う)
ラインナップは3,4,6インチバレルとそれぞれのメッキ仕様だが
生産時期により2種の仕様が存在する。



<初期型>
・ブラックモデルはガンブルー調塗装仕上げ。
・シルバーモデルはマットステン調メッキ仕上げ。
・ランパンコルトのメダリオンはゴールドで周囲がブラック塗装仕上げ。
・カートリッジ先端が緑色の樹脂。



<後期型 スナイピングシステム搭載>
・固定HOPである「スナイピングシステム」搭載。
・ブラックモデルは塗装が省かれた(つや消しブラックのまま)
・シルバーモデルはステンレス調のメッキ仕上げでこちらの方が実銃の雰囲気に近い。
・ランパンコルトのメダリオンはシルバーメッキ一色になった。
・カートリッジ先端が黒いゴム。
・カートリッジ後端部の刻印が廃止された。
・グリップ塗装なしになり、樹脂の材質の違いだけで木目を表現。一見してプラスチックとわかる悲しい仕上がりになった。






●感想<初期型>

【外観】
最高の一言に尽きる。
今まで数多くトイガン化されたがまさに決定打といえる出来。
後のタナカ製は内部メカがコクサイよりもリアルだが
外観のリアルさや仕上げのよさはコクサイに一日の長がある。
トリガーガード前後の刻印まで再現してあるのは流石。

▲なんと「パックマイヤー」の刻印があるラバーグリップ。
当時はなんとおおらかだったのか。
近年の商標に五月蝿い現状からは信じがたい。
すべてはクニモトの悪行のせいだ。


【メカニズム】
こちらも外観同様、実銃を忠実に再現。
パイソンメカを殆どそのままコピーしている。
実銃には無いASGKセイフティが残念無念。
M19ではハンマーを押してもガスが吹き出ない工夫がされていたが
パイソンでは他のリボルバー同様。
外観やメカのリアルさを優先させた結果だろう。

【実射性能】
メカニズムが実銃に近いため、アクションもコルト独自の感覚を見事に再現。
粘るようなパイソントリガープルが楽しめる。

パワーはお粗末としか言いようが無い。
ガスガンというとハイパワーなイメージがあるが、この銃は1980円の
10歳以上用のコッキングガンにも劣る。
薄手のダンボールはおろかティッシュの箱ですら弾き返される程度のパワー(w
なんとかターゲットペーパーに穴が開くかどうか?といった程度だ。

命中精度も低く3mで10cmくらい。
そもそも飛距離も10〜15m程度しかないのでグルーピングがどうのとか語る銃ではない。
ベンチレーテドリブがある為、この距離ではターゲットのかなり上を狙わないと命中しない。

【耐久性】
最低の部類。
実銃の機構をリアルに再現したせいでサイドプレートの肉厚が不足しており
強度の無いABS樹脂は直に割れる。
またインナーバレル後端のガス漏れ防止のキャップが直に割れる。
ハンマーもSAを多用しているとノッチが削れてきてしまい、DAオンリーになってしまう。

さらにリアサイトを止めているネジの基部が樹脂製のフレームから浮き上がってきてしまう。

ガスバルブをハンマーが直接叩く方式のためバルブスプリングのテンションが異常に高く、
そのせいで各所に無理がでている。(パワーも低い)
しかしバルブスプリングのテンションを落とすとハンマースプリングのテンションに負け、
ガス漏れが始まってしまうためなんともならないというどうしようもないガンだ。

【総括】
激しく人を選ぶ銃。
エアガンとしての性能を求める向きには絶対お勧めしない。
しかしながらモデルガンとしてみた場合、リアルさは過去のパイソンのトイガンの中でも最高級。
タナカやマルイのガスガンでは得られないものだ。
金属パイソンモデルガンと比べてもシリンダーや銃身の開口が許されているガスガンはリアル。
それになにより金属ガンの「金ピカ」に馴染めない私には
最高のパイソンはこのコクサイガスガンなのである。