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KSC SMITH&WESSON M945 STAINLESS MODEL


名銃M645から始まったS&W .45AUTOのDNAはM945に受け継がれた。

実銃のM645とM945がそうであるように、
トイガンの世界でもその血統は継承されている。

KSCが製造し、MGCが販売していたM645のガスガンは
「サイクロンバレル」と呼ばれるストレートライフリング入りの
インナーバレルを持った初めてのモデルとなった。

サイクロンバレルの原理はインナーバレルに溝を掘り込むことで
ガスの流れを安定させ、球形の弾丸をフローティングさせる効果を持つ。

当時はブローバックガスガン前夜の時代であり、スライドは固定であったが
MGCはブラウンマキシコンポ等のダブルアクションM1911シリーズで、
競技用ハンドガンのデファクトスタンダードとなっていたので
DA固定スライドのシステムとしては完成の域にあった。

こうした成り立ちのM645は高い精度を持ち、
高い命中精度で名高い、東京マルイのハンドガンと渡り合える
唯一のガスガンとして名を馳せた。



外観で目を引くスケイルド(鱗)セレーションが美しい



時は流れ、MGCは倒産。
KSCは製造元兼販売メーカーとして名乗りを上げる。
名銃M645のクオリティとスピリットが「M945」として現代に蘇ったのだ。


ここからは実銃のM645にも少し触れておこうと思う。

M645の成功以降のS&Wは、判り辛い4桁ナンバーの命名法の採用や
マイナーチェンジモデルでの粗製濫造で低迷していた。

M945は起死回生を狙って投入した高額モデル。
「PerformanceCenter」と呼ばれるS&Wの
カスタマイズ工房から生み出されるスペシャルモデルだ。

判り辛い4桁ナンバーはすっぱり廃止。
そのモデル名からも、M645の直系である事がわかりやすい。
実際のメカニズムでM645とM945での共通点は無いが、
「S&W最高の.45AUTO」であるDNAは受け継がれているのだ。
M945は既存のM4506のスライドを流用してデザインされている。
スライド後端にアンビのスライドセフティの痕跡が残っているのはその為だ。

フレームは新作で、COLT M1911通称ガバメントモデルのデッドコピー。
ガバメントのパテントが失効してからは各社からコピーモデルが造られる事になったが
M945もその中のひとつであると言える。

時代を超え、メーカーの壁を越えても、良いものは良いのだ。
フルアジャスタブルリアサイト

上下エレベーション、左右調整可能。
形状もオーソドックスなものでそのままで競技に使えそうだ。
焼結金属のトリガー、シアーなどで
恐ろしいほどの切れ味を持つトリガープルを実現。

このフィーリングは他の銃には無いものです。
短いストロークで尚且つハンマーリリースポイントが掴みやすい。
魔法のトリガープル。病み付きになります。

マガジンキャッチも大型で押しやすい。
トリガーガードとグリップの付け根も大胆にカットされており
薄いグリップ幅と相まって握りやすい。
ストレート&ナローなマガジン。

M945 USE ONLYの文字が・・・
市場に氾濫するM1911用マガジンは使用できない。

KSC M945のマガジンはメカがステンレスケースに収められており、
やはり美しい。

この銃はどの角度から眺めても美しい銃だ。
ぽっかり空いた銃口は.45の証

実銃ではこの銃口から、
どんぐりのような45ACP弾が飛び出すのだ。

COLT.45AUTOの弱点であるバレルブッシングは廃されている。
マニュアル

最終ページに実銃の解説がびっしり書かれている。
このマニュアルだけでも欲しくなるくらいマニアックだ。

プラモデルやトイガンのマニアというのはこういう薀蓄が大好き。
歴史を知り、メカに触れ、空想の世界へ浸るのです。
WA COLT 45 AUTO (S80)と。
45口径はアメリカの魂そのものだ。



最後に実射の感想を少し。
基本的にモデルガン的要素の強い本銃ですが、
実際の性能も悪くは無いです。

キレの良いトリガープル、素早いスライドの動きなど
作動性も良いし、精度もまぁまぁです。

サムセイフティもカチリとしているし、撃たないときは
ハンマーフルコックのセフティONでOK。

ただ、ブローバックの反動はWAの方が強いですね。
爽快トリガープルを取るか、
強力なブローバックを取るか。
お好み次第といったところです。


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