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セーラー服と突撃銃(アサルトライフル)
<アサルトライフルとは?>

銃のカテゴリー別けは難しく、どこからがジャンルを異にするのか?と言うのは明確ではない。

例えば軍用銃をジャンルで別けるとして下図のようになる。



表の見方は枠内の上段から、

日本語表記
(英語カタカナ)
代表的なモデル

で示してある。
枠が上にあるほど上位概念となる。

例えばM16A2だと小銃というカテゴリーの中の、
自動小銃という中分類の中の、
突撃銃という小分類に属するという事だ。

注目すべきは破線の部分で、これらは明瞭な区別が無い者達だ。
このジャンル別けは目的や弾丸口径等を中心に区別しているが
例えばM16A2とM4A1は同じ5.56mmNATO(ss109)を使用しているし、
使用用途も基本的には同じ。主な違いは銃身の長さやテレスコピックストックだけなのだ。

対物ライフルも狙撃銃の一種と言えなくも無いが、
名目上は対人ライフルでは無いのだから別カテゴリーになる。
でも実際には超長距離対人ライフルとして使用されてもいる。

短機関銃(SMG)とPDW(Personal Defense Weapon)もまた難しい。
航空機等の限定的な空間で携行する際にハンドガンに代わる護身用火器として
スタートした為に、祖であるMP5KPDWは9mmパラの拳銃弾を使う。
これは拳銃弾を使い、フルオート射撃が基本のSMGとの違いは基本的には無い。
恐らくはH&K社が特定ジャンルに売り込む為に宣伝用に使った言葉であったのだが
実際にそのような用途ではボディーアーマー等に対し無力であることから、
現在では拳銃弾より強力だが、小銃弾より小さな専用弾が用いられる。

マシンピストル
これは拳銃を大型化してフルオート(ないしはバースト)射撃をできるようにして
面制圧を狙ったものだが、じゃあSMGとの違いは何よ?という事になる。

あえて言うならマシンピストルが拳銃で連射(も)できるよ!なのに対し
SMGは拳銃弾を使う連射が基本の銃という事か。
まぁ微妙な違いだ。

アサルトライフルとバトルライフル
バトルライフルは元々アサルトライフルと呼ばれていたものも含む。
バトルライフルとは大口径の弾丸(主に7.62mm)の小銃を指す。
例えばM14はアサルトライフルであるが、M16が主流になってからは
両者を区別する為にM14をバトルライフル、M16をアサルトライフルと呼ぶ。

現在ではM14は狙撃銃としても使用される事から、余計にややこしく、
バトルライフル=アサルトライフル=スナイパーライフルでもあると言える。
これはもはやジャンル別けを放棄したとも取れるが・・・


その気になればM16にスコープを載せただけでも
即席狙撃銃とも言える訳で、そもそも明瞭なジャンル別けなど不可能なのだ。
スポーツカーの定義とは?と議論しても人によって解釈がまちまちなのと同じ事だ。


それを踏まえた上で現代のアサルトライフルとは何かを考えると、

・小口径弾で反動は軽いが中距離でも使え、高い貫通力を有す。
・装弾数は20〜30発程度
・単発/連発射撃が可能
・軽量で取り回しが容易

ということになるだろうか。
どうしても定性的な表現となる。


<M16アサルトライフル>
天才銃器デザイナーであるユージンストーナーにより考案された。
アーマーライトAR15(米軍制式採用名M16)

専用の5.56mm×45弾を使用し、ボルトに発射ガスを直接吹き付けることで作動するのが特徴。
軽量なシステムであるが、一般的なガスピストン方式に対し汚れに弱いのが最大の欠点である。

銃身長、伸縮ストック等で無数のバリエーションを有するが、
メジャーバージョンアップは、始祖であるM16→M16A1→M16A2→M4カービンとなる。

特にM16からM16A1への変更の意義は大きく、
作動性向上の為にチャンバー内にハードクロームメッキを施し、
更に装弾不良時に強制的にボルトを閉鎖させる「ボルトフォアードアシスト」を追加した。
またストック内にメンテナンスキットを常備できるようにし、
コミックによるメンテナンスマニュアルにより兵士にクリーニングを徹底させた。

それ以外にもバードゲージタイプのフラッシュハイダーや、
不用意にマガジンキャッチボタンが押されてしまうのを防止するガードの追加など
実戦に即した改良が施された。

なおボルトフォワードアシスト追加についてはユージンストーナーは反対だった。
彼の言い分は、「ボルト閉鎖不良が起きている状況は、
銃自体に異常が起きているのでチェックし直しするべき」との事。

確かに設計者観点では正しい解釈だが、
実戦で1秒を争っている兵士が、敵を目の前に、
トラブルの起きた愛銃をメンテナンスする余裕など無い。

一番いいのは、弾詰まりを起こしたクソったれな愛銃のボルトを何とか押し込んで射撃を続行する事で、
駄目なら諦めて棍棒がわりに振りかざすか、あるいは逃げ出すしかない。


M16A2はA1をベースに更に改良を施した。
米軍兵士の体格に合わせ延長されたストック、
左利きの射手の顔面を排莢から守るケースディフレクター、
上下調整が可能になったフルアジャスタブルリアサイト、
銃剣戦で不安のあった銃身を肉厚にしたヘビーデューティバレル、
貫通力向上のSS109用ライフルピッチ、
フィンガーチャンネル付きのピストルグリップ、
高強度ナイロン製ハンドガード、
弾薬節約の為のバースト機構

等など。
必須ではないが痒いところに手が届く改良が行われた。
80年代の銃だが、性能は一線級で、M4に混じり未だに第一線で使用されている。




<M203グレネードランチャー>
M16の銃身下部に装着する40mm擲弾(てきだん)発射器。

前身のM79は実戦で有用である事が実証されていたが、
単発のM79では射手自身の近接防御手段が別途必要となり、
SMGやハンドガンを携行する必要があった。

M203は歩兵の主力装備であるM16ライフルの下部に装着できる為、
擲弾手の火力を減じる事無く装備が可能である。

但しM16+M203の組み合わせは5kg以上になる為、
振り回すにはそれなりの体力は必要ではあるが・・・



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